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中華風豆腐入り茶碗蒸しレシピ付き
昭和の「スピード料理」本を発見!
南極探検隊や遠洋漁業の工夫は今も新鮮
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「スピード料理のすべて」
千趣会発行、昭和50年
 「きっと、しょうこさんの参考になるわよ」と、このサイトの編集長・吉原佐紀子さんから『スピード料理のすべて』という手のひらにのる小さな本をいただきました。昭和50年千趣会の発行です。40年も前の私たち世代が子どもの頃の本!
 「スピード料理」とは言いながらも、いまの時短的感覚からすると、手の込んだ料理ばかり。昔のお母さんたちは、本当に料理に手をかけていたのだなあ、母たちに改めて頭が下がる思いです。
 「そうなんだ!」とページを開いて夢中になりました。
●電子レンジが、新しい機器として紹介されています。一般家庭向け電子レンジが発売されたのは昭和40年のことですから、この本が出た50年は一般的に普及し始めた頃です。
●「お料理の素材としても、とても便利です」と紹介されているのは缶詰。ツナ缶、ホールトマト缶、とうもろこし缶、コンビーフやチキン缶詰などが珍しい食材として紹介されているうえ、いまでは学校の家庭科で習う程度の缶詰の消費期限の読み方が、きちんと紹介されています。

 当時の缶詰消費量は、日本では一人あたり年間39缶、アメリカでは一人あたり546缶!という比較があり、では現在の日本の缶詰消費量はどうなの?と調べてみると、年間33缶。この10年間は下降傾向で少し意外です。でも、レトルトや冷凍などの技術が発達し、缶詰という加工食品が伸びてないのかもと感じました。
 
 本に戻って……小さい冊子ながら、エッセーも掲載されています。やなせたかしさんの「缶詰がだいすき」。南極探検隊の方が書いた「応用のできる缶詰で」には、南極暮らしでに必須食材である缶詰の家庭向けアドバイスも。冷凍食品の選び方のページには、遠洋漁業船の船員さんから、船上生活についての寄稿もあります。
 食材が作られる背景を知り、知見を得ようという誌面作りがとても多面的で豊かです。うらやましく思いました。
 
 ほかにも時代を感じるページが次々と。「冷凍庫つき冷蔵庫の選び方」からは、冷凍冷蔵庫が一般家庭に普及しだした時代を感じます。「中華材料や中華鍋を上手に使いましょう」というコーナーや、ハンドミキサーを使ったレシピ紹介など、電化製品や食材が豊富に揃いはじめ、ようやくスピード料理が実現できる環境が整ってきたのだろうな、と想像しました。

 それにひきかえ、いまの私たちの生活をのどれだけ便利なことか。反面、現在の日本のごみの6割は家庭から廃棄される食材だという農水省のデータがあります。豊かにものが揃う中で、料理をしないことや食材をムダにすることが平気になってしまったいまの生活を見直したいな、と改めて思うきっかけにもなりました。
 冷凍や缶詰は少し味が落ちるもの、と見てしまいがちですが、上手に使ってゴミを減らしていくレシピ提案も、私の新しい課題かもしれません。食材や道具がふんだんに揃う幸せを実感しながら、ムダなく暮らしたいですね。

 さて今回のレシピは、電子レンジに缶詰が手軽に使えるいまならではの、本当にカンタンで美味しいおかずです!

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田内しょうこの時短レシピ5
中華風豆腐入り茶碗蒸し

【材料】
木綿豆腐 1丁(300g)
卵 2個
片栗粉 大さじ1
ほたて缶詰 1缶(70g)
顆粒鶏ガラスープの素 小さじ1(なくてもOK)

【タレと薬味】
しょうゆ 大さじ1
ごま油 大さじ1
青ネギ 2本
香菜(パクチー) お好みで

【作り方◎電子レンジで】
1.大きな鉢状の器に豆腐を入れてフォークなどでつぶす。
2.ほたて缶詰を汁ごと加え、卵、片栗粉、鶏ガラスープの素も加えてよく混ぜる。
3.ラップをして電子レンジに入れ、まず3分加熱してから5分ほど余熱でおき、最後に1〜2分加熱するとよいでしょう(500Wの電子レンジの場合)。
4.蒸しあがったら、混ぜたタレを回しかけ、小口切りの青ネギ、みじんぎりの香菜をちらす。

【作り方◎蒸し器やフライパンで】
蒸し器でももちろん作れます。蒸気の上がった蒸し器に入れて2〜3分加熱し、中火にして5分ほど加熱する。または、フタができるフライパンに器を入れ、水を1~2cm入れてフタをして強火にかける。煮立ったら中火にし、10分ほど加熱する。一人ずつ小分けにした器に入れても(その場合には、加熱時間は7〜8分でよいでしょう)。

 

田内しょうこ

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